
はじめに
本報告書は、平成13年度に実施されたバングラデシュ国に対する我が国の政府開発援助(ODA)に関する「国別評価」の報告書である。国別評価は、「対バングラデシュ国別援助計画」に示されたバングラデシュの開発課題と重点分野に対して行われた。
本報告書は、8章構成となっている。1章では、本調査の概要を述べ、2章では、過去および現在の国家開発計画のレビューを行い、あわせて社会経済概況と貧困の発生状況に関する分析を行った。3章は、我が国の援助実績、4章は国際援助機関と二国間援助機関の実績をまとめ、我が国援助との比較分析を行った。5章では、ODAのセクター別インパクト分析を行い、重点分野選択の方向性を示した。続く第6章では、我が国援助計画に示された重点分野における分野毎の援助の妥当性、効果、持続性について評価を行い、共通して確認される援助実施上の課題の抽出と分野毎の提言をまとめた。7章は現地調査期間中に実施したアンケート調査などの結果を報告し、最後に8章において、我が国援助計画に対する包括的な評価と援助計画の見直しに資する提言をまとめた。
本報告書の作成においては、現地調査期間中、在バングラデシュ日本大使館をはじめ、国際協力銀行ダッカ事務所および国際協力事業団バングラデシュ事務所、派遣専門家、青年海外協力隊員、バングラデシュ側政府機関、NGO、国際援助機関と二国間援助機関など、多くの関係者のご協力とご示唆を得ながら調査にあたることができた。国内作業においても、我が国の外務省経済協力局評価室には数回にわたる勉強会や調査進捗報告会を設けていただき、我が国援助関係者の方々から助言と情報をいただいた。緊密な協力と支援体制を構築いただいたうえ、本調査にあたらせていただいたことにつき、心から感謝の意を表したい。
なお、本報告書は、株式会社コーエイ総合研究所の責任において作成されたものであり、日本政府あるいは外務省の見解や立場を反映するものではないことを付記する。本報告書の内容や提言が、対バングラデシュ国別援助計画の今後の有用性向上に資するものとなることを願う。